シーター姫の誘拐

 

ラーヴァナはシーター姫を誘拐するため、空飛ぶ戦車に乗り込みました。しかし、直接ダンダカの森へ向かうのではなく、まずは海を渡り、マーリーチャという悪魔の元へ向かいます。

 

マーリーチャは、かつて聖仙アガスティヤに呪いをかけられ、悪魔となった者でした。彼の兄弟スンダがアガスティヤに無礼を働いたことが原因で、一族全員が呪われ、ラークシャサへと変貌したのです。

 

マーリーチャの一族は聖者を憎み、カルーシャー国とマラダー国を恐怖で支配していました。太陽や雲さえも寄り付かなくなったその地で、聖仙ヴィシュヴァーミトラは、ダシャラタ王に助けを求めます。

 

ヴィシュヴァーミトラは、ダシャラタ王の息子であるラーマ王子を派遣してくれるよう頼みます。ラーマ王子とラクシュマナはヴィシュヴァーミトラと共に、マーリーチャたちが支配する森へ向かい、彼らを倒して聖者たちを救いました。

 

しかし、マーリーチャは生き延び、姿を変えて聖者たちを苦しめ続けました。そして、森でラーマ王子一行に出会い、襲いかかります。ラーマ王子はマーリーチャの仲間を倒しますが、マーリーチャ自身は逃げてしまいます。

 

その後、マーリーチャは改心して苦行者の生活を送っていましたが、ラーヴァナにシーター姫誘拐の協力を求められます。ラーマ王子に敗れた経験を持つマーリーチャは、ラーヴァナの計画に反対しますが、ラーヴァナの決意は固く、黄金の鹿に化けてラーマ王子をおびき寄せる役目を引き受けることになります。

 

ラーヴァナの計画通り、ラーマ王子は黄金の鹿に気を取られ、ラクシュマナと共にシーター姫の元を離れます。その隙に、ラーヴァナは行者に変装してシーター姫に近づき、誘拐してしまうのです。

 

空からシーター姫を連れ去るラーヴァナを、ハゲワシの王ジャターユスが止めようとしますが、ラーヴァナに殺されてしまいます。シーター姫は抵抗むなしく、ラーヴァナの故郷ランカーへと連れ去られてしまいました。

 

ラーヴァナはシーター姫に求婚しますが、シーター姫は拒否します。ラーヴァナは怒り、一年以内に結婚に応じなければ殺すと脅迫します。

 

一方、シーター姫はラーマ王子に助けを求めるため、空から衣服や装飾品を落とし、ラーマ王子への道標としました。果たしてラーマ王子は、シーター姫のメッセージに気づくことができるのでしょうか?